私が海に還るまで
家具などを乗せた男の人たちはそのまま軽トラックでどこかへ行ってしまい、シュウと私は別の普通車に乗り込む
運転席、助手席に知らない男の人がいて、私とシュウは後部座席に二人座った
「東京でいいんだろ?」
運転席の黒髪をバックに流したサングラスの男がシュウに聞いた
「ああ」
シュウは無愛想に頷いて
「途中で海に寄ってくれ」
付け加えると
「ッチ…めんどくさいな……」
前の座席から舌打ちが聞こえた
「金は渡してる、多めに」
「っかってるよ、茅ヶ崎でいいな?」
シュウはこんな風に他の人としゃべるんだ……
私はやり取りを黙って聞いていた