ヤバいくらいに溺れてる
あたしの耳元に口を近づけた陽向が、手慣れた手つきで服の上からあたしのブラのホックをはずした

「ちょ…なにすん」

「ヤリに行くんだろ? 面倒くさくないように脱いでいくんだろ? 俺が脱がしてやるよ。面倒くさくないように」

ふっとあたしの耳に息を吹きかけた

ぶるっと震えるあたしの姿を見て、陽向が満足したように頬笑んだ

「一人で脱げるわよっ」

「遠慮すんなって。俺、女の体なんて見慣れてるし、あんたみたいな標準並みには間違っても欲情なんてしねえよ」

「ひょ…」

標準並みで悪かったわね!

標準サイズでなにがいけないのよ

「これでも、あたしを抱きたいって男は大勢いるのよ」

「抱きたいだけならね。愛してくれる男はいなかっただろ?」

陽向が、あたしのスカートのホックをはずした

チャックが下がると、すとんとスカートが下の落ちた

「ちょ…失礼よ! まるであたしが愛されてないみたいな言い方…」

「じゃあ、誰かに愛されたの?」

「う、うるさい」

「誰かに愛された経験があるなら、その嬉しさや心地よさを知ってるはずだ。知っているなら、こんな自分の体の価値をさげるような馬鹿はしない」

「ば…馬鹿とか言わない」

「馬鹿に馬鹿と言ってなにがいけない?」

陽向の指が、あたしのタイツに触れた

「ちょ…もう、いいから! 一人でやる。あんたの手の動き、エロいのよ」

「わざとエロくしてる。気持ち良いでしょ? こういうほうが。俺に抱かれたくなる」

「抱かれたくならないから! 絶対にっ…ならない」

あたしは陽向を睨むと、あたしの身体に触れてくる手を蚊を叩き落とすように容赦なく叩いた
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