ホームレスサンタ
「カランカラン、
 カランカラン。」

それは、ベッドのそばの、
棚の上に飾っておいた、
おじいさんに貰った
小さなトナカイの彫刻、
その首に掛けてある
鈴の音でした。
見ると、暗がりで
よく見えないのですが、
首を動かしたり、
棚の上をうろうろ歩いたり、
確かに動いていたのです。
電気を付けると、
ピタリと
動かなくなりました。

「本当に生きてるんだ、
そういえば
公園で子供達も
言ってたな、
この事だったんだ。」

雄一は、また電気を消して、
目を閉じました。

「おやすみ、
 あんまり部屋ん中荒らすなよ。」
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