COLORS【桃】出撃☆恋愛応援団
「やっと目が覚めたね」

「……っ……私は――?」

太陽が地平線に向かってオレンジ色の夕日に変わっていた。

「気を失っていたんだよ」

「恭……介?」

姉さんは俺のことに気付くとちょっと驚いている風にも感じられた。

「俺、ずっとずっと愛美姉さんのことが好きだった。少しでも一緒に居たくて仕方なかった。中学は家の近くの区立に通わなきゃいけなかったけど、高校生になったら同じ学校に行ってずっと傍に居ようって思っていた」

「……そう」

「だけど再会した愛美姉さんは昔と違っていた……」

「……」

「俺は姉さんに笑えるようになってほしい。あの頃のように」

過去の自分にさよならを告げるのは簡単なことではない。
しかし絶対に愛美姉さんならできる!俺が保証するよ。

『錆びた鎖は元には戻らない』
崩れたて落ちた鎖は新しいモノに取り替えることができるんだ。

「恭介、ありがとう。少しずつ頑張ってみるわ」
姉さんは早速、俺に微笑みを与えてくれた。

「一つ、肝心なこと言い忘れてた。本当は俺、姉さんに好きだって言うつもりだったんだ。でも……気付いたんだよ」

俺は屋上の入り口のドアノブにかける手を止め、ゆっくりと彼女の方を見た。

「?」

「俺がここまで頑張れたのは御影が居たからだって――」

「その答えで正解だと思うわ」



あの日、出会った少女に俺は恋をしていた。

『恋愛応援団』

もちろんこれからも……永遠に不滅である。



END
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