甘い夏 煙草の匂い
「そんな…知りませんっ!…あっ!…」
顔をキスギリギリまで近づける。
至近距離で真那の瞳を見つめると、一瞬吸い込まれそうな感覚にクラッときた。
「だ…だめ…」
「真那…どこまで覚えてる?昨日の事。」
「え?えっと…ポ○リを飲んで…」
「そんで?」
「それで…おにぎり作って貰って…」
「その後は?」
「その…後?…あれ?」
「…。」
「…?」
…ダメだこりゃあ。
「そんでトイレ行ってきて、なんか話してるうちに俺に抱きついて…」
「えぇ?」
「離れろって言ったら、じゃあキスしろって言った。」
「う…ウソ…」
おそらく、左右のどちらの目を見て話せばいいのか、わからないんだろう。真那の瞳が小刻みにユラユラ揺れる。
そんな小さな仕草でさえ、息を飲むほど愛しく感じる。
腰に回した手を静かにTシャツの中へ忍びこませる。
「…やぁっ!」
肌に指先が触れると、真那の体は大きく反応する。
背中を這う指先から逃げようとするが、前へにげると俺の体とぶつかり、さらに密着する。