甘い夏  煙草の匂い



何とか俺の腕から逃げようと抵抗し、体を捩る。


「ダ…ダメっ!…ねぇっ…!」


フイに出るタメ語。これが、俺には甘えているようにしか聞こえない。


俺の両肩に小さな手を置き、グイグイと押して逃れようと必死だ。





― ヘタな抵抗、誘うに似たり ―





「なぁ…も一回言って…?」




さあ、復讐の始まりだ。



「な…にを?」


一瞬、真那の動きが止まった隙に、ブラのホックをプチっと外した。


「…っ!!」


咄嗟に胸を両手で押さえたものの、背筋を伸ばしたまま動けずに固まったままでいる。


「昨日みたいに…」



昨日、俺が苦しんだ分…



「『キスして』って、ネダれよ…」




今日は、絶対に朝まで離さねぇ…。


その甘えたタメ語を、もっと引き出してやる…。


明日ひげオヤジんトコに帰るんなら、尚更。

今すぐにでも、真那を自分のモノにしたい。


唇をギリギリのトコまで持っていき、フッと小さく息を吹き掛ける。


「…んっ…!」


ただそれだけで、ギュッと目を瞑りビクッと体を揺らす。





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