甘い夏 煙草の匂い
「…あぁ、…うん。」
…全く大人じゃない返事をする俺…カッコ悪ぅ。
「ちょ、トイレ。」
…気合い入れてくるかぁ。
トイレから戻ると、真那のコップが空になっていた。
「何、飲んでんの?」
「あ…カ〇ピスです。」
カ〇ピス?そんなのこの家にあったっけ?
百合子んちの冷蔵庫を物色してると、カ〇ピスサワーと書かれた缶を見つけた。
氷もほとんど溶けてたみたいだから、新しいコップに氷を入れ、サワーを注いで持っていった。
「あっ…すみません。」
「いやいや、ついでだから。」
ついでに持って来た缶ビールの蓋を開けた。
「あ、唐揚げなくなりましたね。持ってきますね。」
「あ、まだあんの?」
「はい、多めに揚げておきましたから。」
「ホント?ラッキー。」
「え?」
「ん?いや、こん中で一番ウマかったからさ。」
酔いの手伝いもあり、今日の俺はやたら饒舌だ…。
「…ありがとうございます。」
少し照れた様子で、お皿を持ってキッチンへ入っていく真那…。
男って、ああいうコが好きってヤツ多いよなぁ。
…そう人事の様に思いながら、ぼんやりと真那を見ている俺がいた…。