KITUNE
ボロい神社があった。

思わずあんぐりと口が開くほどのボロさ。

人がこの神社を忘れ、何十年は経っていること間違い無しのボロさ。

わたしはけれども近寄ってみた。好奇心が強いことは自覚していた。

どうやらわたしは神社の敷地の横から出てしまったらしい。

獣道はいつの間にか、消えていたからまあこういうこともあるだろう。

この神社はボロいものの、鳥居やキツネの石像がある。

どうやらキツネを祀っていたらしい。

まあ山ならではの神社だろう。

昔から、ここら辺ではキツネに困らせられたと言うし。

わたしは肩を竦め、賽銭箱の前に来た。

一応、鈴もあるし引っ張る紐も繋がっている。

中の方は…と覗いて、わたしはビックリした。

< 2 / 75 >

この作品をシェア

pagetop