KITUNE

それからの日々

わたしは良く山へ行くようになった。

山に行く時は何かしら差し入れを持って。

ミトリはわたしを気に入ってくれたようで、いつもコムラと一緒に待っていてくれた。

キムロはとても気まぐれ。

自分の来たい時に来て、帰る時も勝手に帰る。

何日も一緒に過ごした。

そしてコムラがある日、湖に連れて来てくれた。

わたしが来たがっていたことを、覚えていてくれたのだ。

でも水羊羹の差し入れが必要だと言っていた。

だから水羊羹を持って、わたしは湖に来た。

…何でもここの社の住人が、水羊羹が大好物らしい。
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