KITUNE
湖は丸くて大きかった。

湖の真ん中に、小さな社があった。

そして湖と土の間に鳥居があり、そこから土の道が伸びて、中心部へ繋がる。

わたしとコムラとミトリは、水羊羹を持って鳥居をくぐった。

「―ここにいるのはミオって言ってね。結構気難しい性格なんだけど、水羊羹をあげれば機嫌良くなるから」

水羊羹の好きな神様、か。

―うん。悪い気はしない。

やがて社の前に来ると、コムラとミトリは足を止めた。

「りん。悪いけど挨拶は一人で行うのが決まりなの」

「ボク等がいるから危険は無いと思うけど…一応、気をつけて」

…コムラ、注意したいのか怖がらせたいのか、分からないよ。それじゃあ。
< 34 / 75 >

この作品をシェア

pagetop