KITUNE
「そう…」

コムラは納得はしてなかった。

けれどわたしの手を強く握り、歩き出す。

そして、道は拓けた。

眩しい祭りの光に、明るい神々の声―。

みんなお面を付けてて、楽しそうに笑っている。

コムラに聞いたことだけど、このお祭りでは人間の姿でいることが条件らしい。

だからわたしでも、このお面を付けていれば、バレはしない。

そう―お面を付けていれば…。

「りん、こっち」

コムラに手を引かれ、わたしは―祭りに参加した。

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