KITUNE

山の神々

人の…いや、神々の間を歩いていく。

お面を見ると、誰がどの神様だか分かる。

馬・兎・犬・猫…さまざまな神様が集っている。

コムラは狐の神様。

人を騙すと言われている狐の化身。

ならわたしは…騙されているのだろうか?

彼の優しさに…。

それでもわたしは決めたのだ。

「りん!」

ミトリの声で、意識が現実に戻った。

鳥の面を着けているミトリと、もう一人…。

「…キムロ?」

「うん、コンバンワ、りん。可愛い浴衣姿だね」

キムロは…狸の面を着けていた。
< 54 / 75 >

この作品をシェア

pagetop