月と太陽Ⅲ



ほかの三人が鳥を目で追う。


「ア…イナ?」


レオルが震える声で言った。


三人が一斉にレオルを見つめる。


レオルは動揺していた。


「まさか…そんな」


そして信じられないといった表情で鳥の背に乗ってこちらを見ている少女を見つめて言う。


「死んだはずだ、アイナは!母さんと一緒に……。これは幻なのか?」


レオルが体が小刻みに震えながら言う。


「どういう事?」


エセルが心配したような声で問う。


レオルがこんなに動揺するなんて……。


あの子は一体、何者なの?
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