【奏】たらればの時間
大きなもみの木には

色とりどりの電色や
オーナメントが飾られてて

存在を表していた





このもみの木は、過去にも未来にもあって…




未来の変わらないもみの木を見上げると

空から白い雪がふわり、ふわり…



ひとつ…



…またひとつ…



降り始めた






どうりで朝から冷えると思った…





白い息を吐きながら思った





私は…今、誰に抱きしめられたい?







そんな事を思っていると

私は見過ごしてた大事な事に気づいた





幸せになりたい



幸せにして欲しい




ずっと思ってた…




でも…私は誰を幸せに出来るというの?






結局、自分の幸せばかりを願う

ずるくて卑怯なだけのわたし…





やっと、ヨウイチが言っていた

『過去に囚われ過ぎてる』

その意味がわかった気がした



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