恋の唄


勝手にしろ。
そう言われるのを一瞬覚悟した私の耳に、意外な言葉が聞こえて来て。


『いいよ、別れないで』

『……え?』


驚く私に、祐一郎は切なくなるくらいの優しい声で言ったの。


『お前がリスカ止めれるようになるまでか、俺を嫌いになるまでか、どうなるかはわからないけど、ちゃんと向き合っていくから。納得いくまで一緒にいるから、だから、今は今の俺を受け入れて欲しい』

『……バカじゃないの? それじゃ祐一郎はあの子と付き合えないし──』

『いいんだよ。俺にとって今は何より一花が優先』

『優先? 好きじゃないのに? あの子より優先するの?』

『そうだよ』


優しく笑う祐一郎に、私は複雑な心境になった。



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