恋の唄
駅前を通り抜けて繁華街に出る。
スイスイと歩いて彼が入っていたのは、ゲームセンターだった。
「ちょっと、華原君?」
様々な機械から流れる音楽で掻き消されそうになる私の声。
辛うじて届いていたのか、華原君が振り返る。
「プリクラ撮ろうぜ」
プ、プリクラ!?
華原君とプリクラ!?
想像もしていなかった展開に私が驚いていると、彼は急かすように手招きをして先にプリクラ機のカーテンの中に入ってしまう。
慌てて中に入ると、彼はすでにお金を投入していて画面を見ながら困惑していた。
「結衣、やって。俺あんま慣れてねんだよコレ」
率先して入った割には慣れてないという華原君に思わず笑いそうになる。
同時に、少しだけリラックス出来てそんな華原君に感謝。