恋の唄


「お前、こんな時間まで何やってんの? 部活やってたっけか」

「あ、ううん。日誌書いてて」


答えると華原君も真柴君も目を丸くした。


「はぁ? マジで?」


華原君が呆れた表情を見せると、隣りの真柴君が唇を動かす。


「天音がトロかったとは驚き」


……真柴君の中で私がどんなイメージなのかが気になったけど、そんな事よりも華原君が大爆笑してる方が気になった。


「もうっ、何で笑うの?」

「いやいや、相変わらずだよなと思って」


そして、ひとしきり笑った後に彼は言った。


「ま、だからいいんだよな」


ああ……ほら、また。
彼の何気ない一言でバカみたいに期待してしまう私がいる。

恋ってどうしてこんなに目まぐるしいのだろう。


< 52 / 204 >

この作品をシェア

pagetop