恋の唄
私と伊織ちゃんは顔を見合わせて、とりあえずついて行く。
すると真柴君は自分たちが座るすぐそばに私たちを座らせた。
「試合が良く見える上、俺らとも会話が出来る特等席」
「え、あ、ありがとう」
お礼を言うと、真柴君は「あとは天音次第」と残し他の部員のところへ行ってしまう。
そんな真柴君と入れ違うように華原君が私の元に来た。
少しだけ間を空けてベンチに座ると、自分の鞄の中を探りながら私を呼んだ。
「結衣」
「……彼女は一緒じゃないの?」
「……アイツは日陰がいいからって端にいる」
「そう、なんだ」
彼女という言葉を否定しない華原君。
やっぱりなって思って、悲しい気持ちが押し寄せた。