Chain〜切れない鎖〜
一馬の家に泊まる日には、決まって一馬が両親に挨拶をした。


「大丈夫だって」

と必死に言い聞かせたが、一馬にはどこか融通の効かないところがあった。

グレていたこともあるらしいが、根はすごく真面目なんだろう。




お父さんはいつも仕事でいなかった。
だから一馬に会ったことはない。
いつも一馬と会うのはお母さんだった。


あたしのお母さんはイケメン好きで、一目一馬を見たときから惚れ込んだ。
湯気がでそうなくらい顔を真っ赤にして、目を潤ませて一馬を見ていた。
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