Chain〜切れない鎖〜
あたしに失礼なことを言ったことはともかく、この不良たちは一馬の友達ではないのか。
友達にこんな扱いをしてもいいのか。


あたしがそんなことを考えているうちに、一馬は不良たちに背を向けて歩きだした。

途中、ぐちゃぐちゃに潰れているケーキを拾うことも忘れずに。



「一馬さん」と誰かが弱々しく呼ぶ声がしたが、もちろん振り返ることなんてしなかった。







過去を認めない頑固者一馬。
今となったら隠すことなんてないのに。

あたしはそう思っているのに、一馬にとっては辛かったんだね。
みんなから恐れられる「一馬さん」はもう嫌だったんだね。

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