Chain〜切れない鎖〜
「芽衣、久しぶり」

聞き覚えのある声がした。

振り向いたあたしの目の前には、赤髪の京司がいた。


相変わらず他の不良にも負けない姿。
今までのあたしなら、逃げ出しているような恐ろしい格好。

それでも、あたしと京司の間には、短時間で友情が芽生えていたみたいだった。


幼なじみの華を心配する京司の姿を知っているから、むしろ好感的に思えた。





「…京司」

名前を呼ぶと、嬉しそうに肩をぽんと叩かれた。

だからあたしもにやにやして、京司をぽんと叩いた。

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