鏡の中のアタシ。
「……財布。」
里菜は、それだけ言ってだまってしまった。
「!?」
でも…
雄也にはそれで充分だった。
「…大学きたのか?大地に会ったんだな?」
雄也の何かを確信したような声に、消えかけていた胸騒ぎがまた現れた。
顔を見るのも怖くて、里菜は小さく頷いて答えた。
「大地になにか言われたか?」
何か言われた。
と、言う表現は間違ってると思う。
だから、なんて答えたらいいかわからなかった。
だけど…
昼間の大地の顔が頭に浮かんできて、一言
「怖かった…」
と、だけ伝えた。