鏡の中のアタシ。
ごくごくごく…
残りのビールを一気に飲み干して、メンソールのタバコに火を点けて、窓を少しあけた。
十月の夜風は、少し冷たかった。
里菜の心にも冷たく吹き込む。

「恋愛したいなぁ…」

いつも探してる。
本気で好きになれる相手を。
でも、いつもターゲットを見つけて好みをリサーチして、理想の女を演じてしまう。
そんな自分に疲れ切ってた。
それじゃいけないっておもってた。

でも抜け出せなかった。
里菜は思い出したかのように携帯を手にすると、メール画面を開き

『月がとても綺麗だね。』

たった一行雄也にメールして、携帯の電源を落とした。

雄也は気付く事はないだろう。
本当の里菜の淋しさに。


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