時と種族を越えて

邪鬼

気が付くと、森の中にいた。


由紀音「嘘………帰らなきゃ……」


?「ガハハハ、極上の魂かぁ。大人しく俺の餌になりやがれ!」


一匹の鬼が襲い掛かって来る。

由紀音「えっ!?」

私は、訳が分からないまま、反射的に結界を張った。
薄く、気の色も分からないような結界だ。


邪鬼………それも、吸魂鬼の類いのようだ。


邪鬼「小癪な。貴様、結界師か!」

由紀音「……そうとも言えるわね。」


不味い。
鬼は、一級退魔師・封印師でも数人がかりでなければ倒せない。
私に倒せる筈がない。



バシュ!



邪鬼の爪で、結界が脆くも崩れ去る。


由紀音「っ!」


私は、後ろに飛び退さり、邪鬼と距離を取る。


その時、横から誰かが飛び出して来た。
綾香だ。


綾香「対魔式結界、聖守星陣!」

一瞬で、私と綾香を青い結界が包み込む。
綾香が使う結界の中でも最高位に位置する結界だ。



邪鬼「又、結界師か。小癪な!」

邪鬼が、再び結界を切り裂こうとしたが、切り裂けない。


綾香「一級結界師の結界を六級の由紀音と一緒にしないでくれる?」

綾香は、微笑んでいた。
ん?微笑んでいる?



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