やくざな人達
「大吉ちゃん おはよ」
商店街の店長達が組長宅へ集まって来た。大吉とは組長の名である。

「よし、みんなそろったな、始めっか。福引きの賞品、それが問題だよな」
「今年は1等宝石というのはどうだ」
八百屋のおやじが言った。八百屋は毎回賞品を出すが、どうせ売れ残りの野菜か果物なので気楽である。

「みなさんいらっしゃい」
あつこがお茶を持ってきた。顔が少しひきつっているのを組長は見逃さなかった。
< 9 / 50 >

この作品をシェア

pagetop