地味なあたしと不良軍団
彼氏彼女
「すっごい騒ぎだったねえ」
にやにやと笑いながら言う恵美に依奈は顔を赤くする。
「おかげで反省文かかなきゃいけなくなったよ」
「どんまい」
恵美は笑う。
依奈は眼鏡が壊れてしまったためにコンタクトをしている。
クラス中の視線が彼女に向けられている。
「今朝、一年の子と抱き合ってたらしーよ!」
「あたしキスしたって聞いた」
「実は美人だったから調子にのってんじゃない?」
陰口が嫌でも聞こえる。
そんな依奈を気にしてか、恵美は言った。
「今日家に泊まるでしょ?」
「いいの?」
「当たり前よ」
今更遠慮なんてしないでよ、と笑う。
依奈もつられてわらった。
殺那、クラス中の男子の視線が突き刺さる。
それに気付いた恵美は彼女の手を引いた。
「一年の校舎いかない?」
「う、うん、いいけど…」
「私、薫に会いたいし。」
それなら、と依奈は彼女の後に続いた。