地味なあたしと不良軍団
居候生活
*
時間が立つのが早い気がした。大きい、必要な物だけが入った鞄を担ぐ。
普段あまり使わないものはすべて実家に送った。
「依奈、マジで行くのかよ」
「…うん」
奏は心配そうにこちらを見ている。
しょうがないよ、
バレたら面倒な事になるんだから。
奏は急に依奈に近づき、ちゅっと頬にキスを落とす。
吃驚して固まると、彼はにやりと笑った。
「唇の跡、隠しとけよ?」
思い出したかのように片手で口を押さえる。
すっかり忘れていた。
ふと時計を見ると朝8時。悠真が迎えに来てくれる時間だ。
「姉貴、行ってらっしゃい。」
頬を赤くして、そっけなく答えた。
彼が自分を姉貴と呼ぶのは珍しい。
依奈は笑ってから、行ってきますの変わりに彼の頬にキスをした。
「奏くん、また明日」
会う約束をしなければ会えない気がしたから。
たぶん、学校以外あまり会えなくなるだろう。