砂のお城
静と買いにきたのは高校の制服とか、カバンとか高校生活で必要なもの。

そのために駅前の百貨店にわざわざ足を運んだんだ。

「優花、セーラー服似合うね」
「そ、そうかな?」

県内では唯一音楽科のある城南高校の制服は、可愛いセーラー服だ。

ちなみに、男子は学ラン。

中学はブレザーだったから、ちょっと新鮮だったりする。

「私たちは、白のリボンだよね」
「他は、赤と緑だったっけ。翼のラインは赤だし」

音楽科は白。進学科は赤。スポーツ科は緑。

科によって、女子はリボンと襟のライン、男子は袖口と襟元のラインの色が違っている。

私と静は音楽科だから白だ。

「翼くん、もう買いに来たの?」
「従兄が城南高校の卒業生で、いらなくなった制服くれたんだ。サイズもピッタリだったから、必要ないって」
「そっかぁ」

翼くんは静の双子のお兄ちゃん。

私たちとは違う進学科に入学が決まってる。

生徒会長もやってて、頭もよくて、しかも静と同じく系統は違えど、美人さんだ。

翼くんは美人っていうと怒るけど。
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