砂のお城
私には、ピアニストになるという夢があった。

当時、習っていたピアノ教室の先生に、隣の県にいる有名な先生のもとでレッスンをしてみないかと言われていた。

とても有名な先生で、願ってもない話だったし、先生のレッスンは受けたかった。

けれど、晴と離れたくなかった私はその話を最初は断ったのだ。

晴のそばを離れることは、私にとって本当に辛いものだったから。

でも、あの日のことがあって、私はその先生のところでレッスンを受けることを決めた。

両親は、私のわがままに付き合ってくれた。

晴のおばさんもおじさんも、応援してくれた。

だけど、引越しの日。

晴は家から出てこなかった。

結局、晴とはそれっきり。

悲しかったけど、これが現実なんだと諦めた。

あの日から、5年。

晴はいったいどんな男の子になったのだろう。
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