蝙蝠伯爵-ｺｳﾓﾘﾊｸｼｬｸ-

学校が終わると、今日は塾がないためそのまま帰宅しようとした。


しかし、頭痛が全く治まらないので病院に寄っていくことにした。


病院に向かう途中、意識を後ろに集中させる。


するとやはり自分の歩調にピッタリあった足音が後を付けてきていることに気付いた。



（また…）



誠はしばらく行ったところで足を止め後ろを振り向く。


するとそこには朝と同じ女子高生が誠を見て立っていた。


誠と目が合ったというにも関わらず、女子高生は微動だにせずに誠を見つめる。


さすがに長い沈黙が続くと段々気まずくなってくる。


そこで誠は話しかけてみた。



「…何か用か？」



訊ねてから数秒後、女子高生は僅かに口を開いた。