【詩集】こころのひとつづつ
言われる程、焦った。

見る前にって、何を?

跳べって、どっちに?

焦ったが、踏み切れずにいた。
焦る程、言い訳を探し、
自分を守った。


今も、誰かが囁き続けている。
「見る前に跳べ!」

僕は絶壁の突端に立ち、

のしかかる雲を見上げ、

彼方の水平線に目を凝らし、

冷たい汗をぬぐう。


そして自分自身に言うんだ。

「見る前に跳べ!」




「ミルマエニトベ!」




「ミルマエニトベ!!」





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