†幻獣国物語り†金崋編
 みんなが慌てて席につき始めた騒めきが消え去る前に、先生が教室に入ってきた。
 この先生は今日も、笑顔を浮かべている。

「きりーつ、れいッ」

 日直の人が号令をかけ、みんなが朝の挨拶をした。

「はい、お早ようございます」

 優しいほほ笑みを浮かべたまま、先生も挨拶をする。
 そういえば、わたし、先生の笑顔以外の顔見てないな。

「じつは、みなさんにあっと驚くべき出来事があります」

 そんな事を考えてると、先生はちょっと意地悪そうに笑った。
 先生の発言に、クラス中が騒めきたつ。
 わたしは、右肘を机にたてて右手の平に頬をつけて頭を支えながら、聞いていた。

「入ってきていいですよ」

 先生の言葉で、扉が開く。
 その瞬間わたしの中の‘ナニかが’震えるのを感じた。
 よくわからないが、決して地震とかめまいのような感じではない。
 それどころが、なんか、懐かしいような…。
 いったい‘ナニモノ’なの!?

 その疑問を見極めようと、わたしは扉を凝視する。
 入ってきたのは一人の少年と、一人の少女だった。
 って、ふたりぃ!!

            09/03
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