†幻獣国物語り†金崋編
 あ〜ぁ…。昨日は、疲れた。

 わたしは転入早々、自分の机につっぷしている。
 だって、昨日は疲れたんだもの!
 去年出来たばかりのこの学園。
 なんでも、わたし達が学園初の転校生なもんで、一年生だけじゃなく他の学年の人達までもが、わたし達に注目するのだ。
 常に人に見られて一息もつけないし、休み時間中とっかえひっかえ全学年全クラスの人が質問攻めにする。
 しかも、先生達までもが初めての転校生に興味を抱いているらしく、授業中にも質問に答えなければならないのだ。

 コレ、スデニ拷問デハ?
 答えの内容を空で言える程の質問攻めに、そう思う程わたしは疲れた。

 しかも、二人同時にだ。
 同じ学年のうえ兄弟と来てるし、わたし達は目立つ容貌をしている。
 茶髪や金髪とかに染めている生徒が、他の学校と比べて不思議なくらい極端に少ないこの学園では、茶髪のわたしや金髪の冬喩は目立つに目立つ。
 この容貌の事も、みんなが注目するワケ。

 そのせいで、昨日は冬喩に会う機会がなかった。
 この学園は全寮生だから、冬喩とは住むところが違う。
 ほんとは、同じところがよかったんだけどね。
 情報とかの交換が、安全かつ速やかに出来るし。
 寮じゃ、毎日会えない可能性が高いのよ。
 まあ、一日一回は会う約束はしてるけど、いつもそばにいた冬喩と会えないなんて、これが初めてじゃないっけ?

 今日は、わたしが疲れているようだからか、またはこのクラスの全員の質問を昨日終わらせたせいか、朝っぱらから質問攻めはないみたい。
 あ〜助かったぁ!

 マジで喜んでるかもしんない時、ようやくチャイムが鳴って朝のR・Hが始まる。
            09/03
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