アズライト

夏の回廊





季節は初夏に入り
この頃になると市内は
一気に観光と祭の色に変わる


今年は『ねぷた祭』の先導を
車のCMに出てたロボットがやるらしい
歩くのは当たり前で
集団でダンスもするそうだ


知人旅館の観光ガイドも頼まれてるし
今週はオン出来る時間が少ない


そういえは
弟はオンゲーの友人達に諭され
最近学校にきちんと行き始めた
(頭は俺より良いんだし



元々アニメ絵の世界で長くやってた奴は
アメコミ風がしっくり来ないと
元のゲームに帰った奴もいるし


プレイ時間でLevel差が生じ
皆一緒の初期の頃とは
だいぶ遊ぶメンバーは変わって行った



今夜は飲み会から帰って来て夜中の3時

カップ麺を作りながら
ゲームの電源をいれると
いつものオープニングミュージック

『RELIEF FANTASIA TOMORROW』


Maxim  Level 75
現時点の最高Level 80まで
あと少しだ

やるからには、とことんね


こんな時間だし
荒れ地に住む『火竜』の牙を
ソロで取りに行く事にした
まとめて売れば、いい金になる



町から馬に乗って移動


Maximは図体がでかくて
モンスターっぽい民族所属
綺麗なエルフタイプや
人間タイプもあったけど
元々は流浪の民って設定が気に入った



しばらく湿地帯が続く

そこそこウマイ敵もいるが
陰欝とした景色のためか
移動する人間位しか擦れ違わない

皆 ある程度Levelが上がれば
世界の中心地『WAN』に集まり
仲間を探すのだ

このLevelだと
そうそう敵は襲って来ないから
コントローラーをオートにして適当に進む

タバコに火を着けようとした時
ログに文字が現れた



−−Asura:w:Level 21が
Gamoru:M:Level 30 に襲われている!


戦士か
ここらのは打撃無効が多いから
死ぬかな

一度死んで覚えるのも…



AZ『こっちきて!Asuraさん!』

瀕死の状態に回復魔法が飛ぶ


いつもなら通り過ぎる光景
なぜか足が止まっていた


< 10 / 309 >

この作品をシェア

pagetop