ウサギ
俺は世界の悲しみの1秒にすぎないんじゃないかって。
だったら俺はいらない。
むなしくて、死にたくなってくる。
「俺だって…死にたいよ…。」
力ない声でつい口に出てしまった。
女はしゃくりあげる声を止めて言った。
「だったらあたしと死のう?」
頬は涙でぬれて目は充血している。
「それはダメだ。」
「なんで?死にたいんでしょ?」
近付いてすがりつく女の腕を丁寧に払った。
「そんな勇気なんてない。…名残惜しいんだ。」