再会
「ですよね」


「ええ…去年、気管支炎で入院した時に、男の子の担当でしたよね」


そう言う彼女の言葉に天まで昇るような気持ちになる


そんなことまで覚えていてくれたなんて


このまま話していたいのに


他の患者の保護者の目もあり、俺は後ろ髪を引っ張られるような未練を残しつつ、頭を下げて病室を出た


担当医になったということは、何かの縁かもしれないな


俺は女の子のカルテを見て、名前、住所、既往歴等を確認する


この時は小児科医としての確認で、住所や電話番号を覚えたり、控えたりするような、みっともない真似はしなかった





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