再会
「はい、大丈夫。鼻水と咳の薬を出しておきますね。熱が出たり、何か気になるようでしたら、連れて来てください」


「はい」


診察が終わる…


やっぱり祐未とは個人的に会うのは無理なのか?


「ありがとうございました…」


祐未が椅子から立ち上がり、俺に背を向けた


「桜木さん…」


俺は看護師の目も気にせず、祐未に声をかけていた


今を逃したら、またいつ会えるかわからない…


祐未が振り向く


「あ…いえ、あの…」


呼び止めたまでは良かったが、この先の言葉が見つからない


こんな俺に助け船を出したのは、菜乃花だった





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