★甘美な、とろける夜☆―with chocolate cake
夕方から夜に変わる時
クリスマス間近、イルミネーションが光り輝く街は、賑わいを増している。



降りはじめの雪がハラハラと舞い降りてきては、頬をかすめて消えていく。



寒いけれど、寒くない。



寒くなんて感じない。



隣には、大、大、大好きな先輩が居るんだもんっ。



「先輩っ、キラキラ輝いていて、綺麗ですねっ」



「…あぁ」



「先輩、雪ですよ、雪っ」



「言われなくても分かってる…」



アタシ、一ノ瀬 一葉(イチノセ カズハ)は、夕方に待ち合わせして、今は…想い人、小野 絢登(オノ アヤト)先輩と街中を歩いてる。



夜空に向かって主張するように輝くイルミネーションにも、クリスマスをロマンチックにさせる雪にも、無反応な先輩。



おまけに、

無反応に加えて、無愛想にぶっきらぼうに答えた先輩。



先輩がふてくされようが、賭けに負けたのは事実。



約束は守って貰いますよっ。



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