★甘美な、とろける夜☆―with chocolate cake
「嫌です、お母さん達、夜遅くなるって言ってたし…先輩が帰った後に一人なんて耐えられませんっ!!怖いですっ!!」



さっきまで歩幅を合わせてくれていたのに、急に早足になった先輩の腕に絡み付いて、しっかりと離さない。



「かずっ…いや、一ノ瀬、離せったらっ」



「離しませんよ?今、“かず”って言いましたよね?ちゃんと“一葉”って呼んで下さいっ!!」



「うるせぇっつーのっ!!」



あら?



あららら?



何故だか、先輩の顔が赤く見える。



駅の構内に入り、電車を待っている間だって…まだ赤いや。



まさか熱出したの?と思って、おでこと首を触ってみたものの…

熱くはない。



ねぇ、先輩?



今日は先輩の本音を聞かせてね。



駄目だったら、駄目って、ハッキリ言ってね。



―――そうじゃなきゃ、未練が残っちゃうから…。



< 7 / 25 >

この作品をシェア

pagetop