★甘美な、とろける夜☆―with chocolate cake
甘美な味わい
電車を乗り継ぎ、駅から歩いて、今は先輩の部屋のベッドの上にストンと腰をかけたところ。



一部屋しかないアパートに、一人暮らししている先輩。



部屋の中には、小さなテーブルとベッド、部屋の隅に置かれたノートパソコン。



「ははっ、何にも無いだろ?」



先輩はエアコンのスイッチを押しながら笑ったけど、まるで空元気のようだった。



「本当にシンプルなお部屋ですねぇ?寂しいなら、一葉が毎日来てあげますか?」



「…いや、いい」



「先輩、冷たい…」



詳しい事実は分からないけど、高校生になってからは一人暮らしをしているらしい。



知りたいけど、安易には聞けなくて…今に至る。



先輩とは学校の図書委員会がきっかけで、仲良く?なったの。



委員長をお務めする姿がキリリとしていて、クールな感じがとても格好良くて…

それとは裏腹に見せる、照れ笑いとかのギャップもかなりのツボです。



一目惚れから始まったような恋だけど…

本当に本当に大好きなの。



知れば知るほど好きになって溺れていく感覚…

もう後には戻れない…

先輩しか見えないよ。



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