さよならさえも言えなくて
「じゃあな!」



そう言って巧海は自分のクラスへと入っていった。

1人になった途端湧き上がる不安。

あたしのこと、本当は好きじゃないの?

同情で付き合ってくれてるの?


初めはそれでもいいと思っていたのに。
どうして人は幸せを感じ続ける事が出来ないのだろう。
どうして人は満足する事が出来ないのだろう。

自分でもわがままだと思う。
欲張りだと思う。


だけど、だけど不安で仕方ない。

あたしのこの真直ぐな想いさえ在ればいいと思っていたのに、やっぱりそれじゃ足りなくて、不安で。




だけどやっぱり大好きで。
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