ー僕ー
プロローグ  灰色の空
 灰色の空の下、今日、君は、何を願うの!?僕の欲しいものは、いつだって手の届かない所にあって足掻いてるのに一向に掴める様子は無い。だから、今日も歩くんだ。ただ、前を向いて・・・・。


 君に出会ったのは、1月の初め。ちょうど、お正月の終わりごろ・・・。僕は、友達関係とか家とか学校とか全てうざったくなって投げ出したくて家を飛び出した。新幹線にのり東京へ向かったんだ・・・。何回か東京に来たことのある僕は、駅から出てすぐにコインロッカーに荷物を置き原宿に向かった・・・。ただ、用もなくぶらぶら歩いているうちに、渋谷まで来てしまったらしく、仕方なく、「はち公」とにらめっこしながらベンチに座っていた。しばらくすると、うざったいナンパをされて退屈しのぎに相手をしながら「クダラナイ」と心の中で冷笑してた・・・。その時の私は、全てを拒絶したくて、でも、誰かに受け入れてほしくて仕方なかった・・・・。いい加減、ナンパ男の相手をするのが面倒になってきたころ、笑いながら話す声が聞こえた・・・。
「うざいなぁ・・・。気づけよ・・・。」
僕は、周りの誰かが言った言葉だと思い辺りを見回した・・・。だけど、僕の周りには、いちゃつくカップルやホームレスしかいなくて、仕方なくナンパ男の顔をみていた。
「あのさぁ、うざいって自分で思ってるんだから、振り払えよ・・・。」
今度は、イラつくような声で・・・。
「あっ、言っとくけど、探しても無駄だからな・・。お前の近くに居て居ないようなもんだから・・・。」
不審に思い同時にナンパ男なんてどうでもよくなって、一言いった・・・。
「あのさぁ、いい加減あきらめたら!?」
そう言って、男を振り払い、行くあてもないくせに歩きだした・・・。
「ねぇ、いるんでしょ!?」
私は、さっきの相手に話しかけたつもりだった・・・。だけど、返事は来なかった。



これが、君との出会い・・・。もう一人の僕・・・・。




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