デスゲーム
ギイィ……バタン。

3メートルはあるであろう扉が不気味な音をたてて閉じた。

中は薄暗く、壁のロウソクの明りにより通路だと分かった。奥に扉がぼんやり見える。


「柊…ここ出た方がいいと思う」


嫌な予感がする。不意に、先導を行く柊が次の扉の前で止まった。


「ごめんなさい。怖かったら帰っていいです。…でも……桜井沙弥の…真実が欲しかったら来て」


そう言い残し奥の部屋に行ってしまった。俺から逃げるようにして。

なぜ柊が沙弥のことを?名前は絶対に言っていない。接点なんて欠片もないだろう。ん?接点…。

ピンときた。沙弥と福家の接点といえば、あの不理屈な死。それ以外は赤の他人だ。ということは、矢印に表すとこうなる。

福家←沙弥←柊
『←』は名前だけ知っている。

仮にこの3人があの事件に絡んでいるとしたら、……次に死ぬのは柊だ!

沙弥の真実と柊の救済。この扉の向こうにそれがあるかもしれない。


「上等…」


思いっきり扉を開けて部屋に入った。

中は赤、緑等の派手な色のライトが部屋を照らしていた。
< 154 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop