デスゲーム
「ギャハ☆『胸部ぶっさし』だってヨ。じゃあナ♪」


氷室の人形の胸部目掛け、レインがナイフを刺す。バキッという嫌な音と共に胸部を突破った。


「っ、あああ…」


沢村は胸を抑え、その場に崩れ落ちた。鎖が連動し、ジャラジャラ音を立てた。


「嫌…嫌ぁ…。もうやめてよ」


柊の儚い声が聞こえる。あいつは……氷室はこの痛々しい姿を見ても大丈夫なのか?


「何俺の道具に見とれてるんだよ?次清水の番だろ」

「お前は…それでいいのか?」

「当たり前だ、いいに決まってる。俺の戦略にケチつけてくんなよ」


黒崎の言った通りだ。先手必勝、Pを稼ぐ作戦か。


「…4歩進め」


そこにはまた『1P』の文字。柊が傷つくのは嫌だ。だけどこのままじゃ……負ける。


「『後頭部を殴る』か。つまんない、ゼッ!」


ピンッと人形の頭を弾くと、柊の頭がガクッと下がる。何もないのに、衝撃は走る。


「痛くないから。全然。あはは…」


くそっ、ダメだ。やっぱり柊に負担は与えられない。苦痛を与えたくない!

まずい、どうする?10P対2Pで俺が負けてる。どうしたら勝てる?
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