デスゲーム
「九条言い過ぎ。ごめんね、こいつバカでっ!」


女子の一人がゲンコツを浴びせた。冗談抜きの力だ。あれは痛い。


「だから謝ったじゃんか。…お前も怒るなって」

「別に怒ってなんかいねえよ。…誰かが止めるしかないんだ。殺して復讐して、また復讐したら殺される。

その連鎖を止める、損な役割が俺だっただけ。簡単だろ」


そう、ただそれだけ。俺が全てを終わらせるだけ。でもこいつが…沙弥を殺したやつが目の前にいる。それだけで九条を負かしてやりたい。


「…ただ運任せに『デスゲーム』を勝ち続けてはいないみたいだな。お前名前は?」

「清水…隼人」

「覚えておく。じゃ、俺達はこれで。またお会いしましょ」


そう言うと3人は館から出ていった。恐らくあの九条が知将か。話し方は関係ないパターンな。


「俺らも出るか。氷室、行くぞ?」


未だに呆然としている氷室を呼び掛ける。ショック受けすぎだっての。俺と柊が館から出ると、後から遅れてやってきた。


「おい清水、何で俺を助けた?」

「初っ端からそれか。命を無駄にするな。それと、『デスゲーム』の犠牲者を減らしたかったから…かな」
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