デスゲーム
「どうしてこれを?」

「女の勘ね。黒崎君の側にいると、手にとるように分かるのよ。色々な女の趣味や好みが。ウフフッ」


この人末恐ろしいな。黒崎の周りにいる大勢の女性からとったデータだろう。そいつらがどうなったかは聞かない方が良さそうだ。


「ふ~ん。でも確かに素人の俺でも良さが分かるわ。綺麗で、この中で一番似合いそう。うん、これにします」


…って、げっ、六千円。そこそこ値が張るな。今こんなに持ってねえぞ?


「じゃあレジまで行きましょ?黒崎君も待っているから」


戻ると、黒崎は煙草を吸いながら壁にもたれていた。


「お客様、店内は禁煙ですよ?それとお会計をお願いします」

「固いこと言うなよ花梨。……へ~え、いいもん見つけてきたじゃねえか」


そう言うと財布を取り出し会計を始めた。


「ん、払ってくれるの?」

「忘れてたが、お前は中学三年間、俺様のいい家政婦だった。雇い賃を含めての、そのお礼だ」


ケチな黒崎が珍しい。吹雪にでもなるんじゃねえか?
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