デスゲーム
「雫ちゃんからか?行け。迷いは早い内に振り切れ。でないと……いいわ。とにかく!お前はここにいるべきじゃない。出てけ、行かなきゃ破門だ」

「俺はいつでも破門したいんだけどな。……行ってくる。会って確かめてくる」


乱暴にドアを閉めて急いで駅にむかう。一歩走る度に白い吐息が宙に舞う。

場所どこだろう。携帯を取り出し、アドレス張の『柊雫』をクリックする。


「ハァ…ハァ。頼む出てくれ」


柊に逢いたい。これほど強く願った事はない。一瞬だけでもいいから逢いたい。後先なんて考えてたらダメなんだ。


「もしもし……清水君?」

「柊か。今どこにいる?」

「家だけどぉ、良かった。あなたの…声が聞けて」


泣いてる?声色を探れば容易に確信できる。これは泣いている、と。


「何があった?3分以内で簡潔に述べろ」

「えへへ。もう、清水君は。………ちょっ、離して!!やめてっ…」


プツリ…


そこまでで突如通話が途切れた。いや、途切れたというより途切らされた感じだ。


「何が起こった?くそっ、早く行かねえとまずいんじゃねえのか!?」
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