デスゲーム
「いてて…。いきなり蹴るのかよ最近の若人は。まだ嬢ちゃんに何もしてないのに」


顔を抓っても目を擦っても、目の前の『変な人』が消えない。ありえないが確認を…。


「あの…あんたって落ち武者ですか?」

「ああ?そうだけど何か?頭に矢刺さってる、見れば分かるだろ」


うっ…靴置き場の向こうの外にも青い人魂が。それにこの普通とは違う寒さと雰囲気、空気。ここは…。


「雫、『ゴースクール』ってゴースト(霊)+スクール(学校)みたいだぞ?」

「ぇえ!?そんなぁ…。私お化け苦手なんですよぉ?」


涙目で見つめられても困るんだが。語呂悪すぎだけど認めざるを得ない。


「何イチャイチャしてんだよ?わしの怒りはどうする?」

「えーと…、とりあえずごめんなさい。生前のあなたの勇姿は軍神のようでした。あの…人生に絶望して自分から当たりに行ってやったんですよね、その矢」

「ん?分かってるじゃねえか。謝ったことだし、武士の情けで見逃してやるよ」


そう言うと鎧をガシャガシャ鳴らして外へ出て行った。なんかドップリ疲れたな。
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