デスゲーム
「はあ…。まさかこんな世界だとは。雫、お化け嫌いは3回戦終了まで封印しろ」


雫はその言葉を聞いた瞬間に何度もブンブンと首を横に振った。


「そんなの過去に何度も実行しました。無理です!隼人君が黒崎さんに頭が上がらないのと同じです!!」


…痛いとこ突いてくる。どんだけ苦手なんだよ。


「分かった。なら俺から離れるな。距離あけると助けられねえから」

「はい。そのつもりですので失礼します」


手を繋いで、不必要なくらい近くに寄り添う雫と廊下に戻る。なんにせよ、ヒントを探らないと始まらない。


「あとは氷室だけどいねえし…。ルールは適当だし、ここの教室でも入るか」


一番近い教室に入ってみたものの…見た所小学校みたいだな。教室の窓から見える運動場は言う程広くないし、靴箱も数が少ない。


「何もありませんね。いたって普通の教室です」

「いや、花だ。あの机だけ置いてある。行ってみるか?楽しそうだぞ?」

「わ、私は結構です。ここで待ってますから一人で行って来てください」


一人で行くか。オドオドする雫とは対照的に何だか楽しいんだよ。
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