デスゲーム
「ちー君やめてえぇーー!!……ほえぇ!?何でぇ?」


ポトッと落ちたマッチの火は灯油によって鎮火された。やっぱりな、想像通りだ。


「なんてな。今まで九条の味方になってたふりしてたんだよ。よく聞け、特にそこのギャーギャーうるさい捨て身女。

…俺はゲームが始まる前からお前達の仲間だ」

「んで、この灯油は水を混ぜて匂いだけ残したもの。わりぃ、助かった」


良かった。氷室がいなかったら今頃火だるまの可能性大だったからな。それまでの過程は気に入らないが。


「え?はい!?隼人君気付いてたんですか?」

「まあな。もし氷室が本気なら、暗闇の時点で火を放ってたさ。それにこいつの足、半乾きで見えない灯油を踏んでる」


火を点ければ自分にも移る。移動する気配もなくマッチを出したからそれで勘づいた。

氷室は完璧主義。それを考えないバカじゃない。


「ぇえ!?じゃあ私は二人に踊らされて……もう!いい加減にしてください。心配したんですから」
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